弁護士と司法書士|任意整理をするならどちらを選ぶべき?

弁護士と司法書士、どちらへの依頼が賢い選択?

認定を受けた司法書士は任意整理を行うことができます。ただし、個別の債務や過払い金が140万円を超える案件は司法書士では引き受けることができません。また、司法書士の代理権は簡易裁判所で裁判を行う場合のみ有効なので、もし訴訟がもつれて相手方が地方裁判所に控訴した場合は新たに弁護士を依頼し直す必要があります。

弁護士と司法書士の違いについて理解しよう

全国の弁護士数は36,415人です(日本弁護士連合会調べ、2015年3月31日現在)。一方、司法書士数は全国で22,013人となっています(日本司法書士会連合会調べ、2016年4月1日現在)。弁護士も司法書士も、法律の専門家であることに変わりはありません。

弁護士と司法書士の違いとは?

メディアで取り上げられる機会が多い弁護士に比べて、司法書士の仕事はイメージしにくいかもしれません。簡単に説明すると、弁護士は法律に関する業務のすべてを行うことができますが、司法書士の場合は、定められた分野のみが業務範囲になります。弁護士の業務は幅広いため、行き届かない部分も多く、そこを司法書士が補完する意味で重要な役割を担っています。では、弁護士と司法書士は仕事内容にどのような違いがあるのかを、ここで整理しておきましょう。

弁護士とは

弁護士資格が与えられるのは、司法試験に合格して司法修習を終えた人です。弁護士の業務は幅広く、社会生活で起きるさまざまなトラブルの解決へのサポートやアドバイスを担い、依頼者の代理人として交渉することもあります。法律の事務だけでなく訴訟行為も行えるのが特徴です。

司法書士

一方、司法書士は司法書士試験に合格して資格を得た人です。代表的な業務は不動産の登記・供託の手続きや、裁判所・検察庁・法務局に提出する書類の作成・提出を代行することです。原則として訴訟の代理人になることはできません。

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司法書士も債務整理の現場で活躍できるように

現在、任意整理手続きに多くの司法書士が進出しています。弁護士だけに限られていた法律相談の門戸が開かれ、一般の方にとって法律相談がより身近になったと言えます。

2003年の司法書士法改正

このような変化をもたらしたのは、2003年に行われた司法書士に関する法律改正がきっかけです。法務省の認定を受けた認定司法書士に、示談交渉件・簡易裁判所代理権が認められ、任意整理手続きで弁護士と同様に「代理人」を務めることが可能になりました。全国の司法書士のうち、73%が簡裁訴訟代理等関係業務認定司法書士となっています(日本司法書士会連合会調べ、2016年4月1日現在)。

債務整理の現場で活躍する司法書士

司法書士は、法律改正前から個人再生や自己破産の書類作成代理人業務で債務整理に携わっていました。

このため債務整理を得意分野とし、豊富な経験や実績を誇る司法書士も存在します。また、気軽に利用してもらうために着手金を無料にする司法書士事務所もあります。

司法書士に任意整理を依頼できないケース

一般的に、司法書士を利用するメリットは弁護士に比べ費用が安いことだと言えます。ただ司法書士は、弁護士のように法的手続きの代理に関してオールマイティーではありません。債務額や交渉の状況によっては、司法書士に任意整理を依頼できないケースもあります。

債務額が140万円を超える場合

まず、任意整理の対象としたい債務の金額が140万円を超える場合は、司法書士に依頼することができません。

司法書士が関われる範囲

2003年の法改正で、認定司法書士が代理人として関わることが認められたのは、債権者ごとの個別の借金が140万円以下の場合に限られます。もし貸金業者1社からの借金が140万円を超える場合は、司法書士は法律相談や交渉、訴訟に対応することができません。

140万円は借金の「総額」ではないことに注意!

気をつけたいのは、140万円というボーダーラインは借金の「総額」ではないということです。例えば貸金業社2社から合計200万円を借り入れている場合、A社の借金が130万円、B社の借金が70万円であれば、司法書士に任意整理を依頼しても問題ありません。

過払い金が140万円を超える場合

また、個別の債務額が140万円以下でも司法書士に依頼できないケースもあります。それは、任意整理で多額の過払い金が発生した場合です。

過払い金も、司法書士が対応できるのは140万円まで

司法書士は、貸金業社1社の過払い金が140万円を超えている案件を受け持つことができません。140万円で線引きされることは、債務額でも過払い金でも同じなのです。過払い金が多そうでどれだけ返ってくるかわからない場合は、はじめから弁護士に相談したほうがいいでしょう。

弁護士と司法書士で費用はほぼ同じ

弁護士と司法書士では、一般的に司法書士のほうが費用が安い場合は多いです。しかし過払い金に関する報酬は、実は両者であまり違いはありません。弁護士会と司法書士会では過払い金返還請求の報酬の割合を規定で定めていますが、いずれも訴訟なしで20%、訴訟ありで25%と、同じ割合となっています。ほとんどの弁護士・司法書士の報酬金はこの規定の上限と決められているので、実態はほぼ差がないのです。

簡易裁判所での訴訟がもつれた場合

司法書士が債務者の「代理人」となって扱える任意整理は、債務や過払い金の金額以外にも条件があります。

司法書士は簡易裁判所まで

弁護士の訴訟代理権は最高裁判所まで及びますが、司法書士に与えられる訴訟代理権は「簡易裁判所」のみです。司法書士に依頼して簡易裁判所で争っていた訴訟がもつれ、相手方に控訴されて地方裁判所に移ることになれば、新たに弁護士を探して依頼し直さなければなりません。

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任意整理は弁護士・司法書士、どちらを選ぶべき?

それでは任意整理をするにあたっては、弁護士と司法書士、どちらに相談すべきなのでしょうか。

お悩みの借金が1社のみ、140万円をまず下回る程度の金額ならば、司法書士に相談することで、弁護士に依頼した場合に比べ、費用を抑えて債務整理できる可能性があります。
ただし、判断する上でポイントとなるのは、先述の通り、司法書士が行える債務整理は取り扱える価額や対応範囲が限られる点です。

高額・複数社からの借入は弁護士への相談がベター

司法書士に債務整理を相談したとしても、140万円を越える債務があった場合は、司法書士は対応できません。過去の返済について調査した結果、過払い金が140万円を越えていた場合も、弁護士への依頼に切り替える必要があります。解決までの時間が後ろ倒しになった上、司法書士の方針によってはそこまでの対応費用を請求され、以後を対応する弁護士と二重払いが発生してしまう可能性も否定できません。

また、債務状況や保有財産の状況によっては、任意整理以外の債務整理方法を取るのが最適なケースもありますが、対応範囲が限定される司法書士の場合、最善の方法で債務整理が行えないおそれがあります。

  • 借入が高額である
  • 長期間、借金の返済を続けている
  • 複数の会社から借金をしており返済が追いつかない

といった、債務の状況が複雑なケースの場合は、はじめから弁護士に相談しておく方が、結果としてスムーズな対応が期待できるはずです。

まとめ

任意整理にかかる費用は弁護士より司法書士ほうが安いというイメージが一般的ですが、最近は着手金無料の弁護士も増えています。

弁護士に依頼するのは高い、というイメージにとらわれず、まずはお近くの弁護士に相談してみることをおすすめします。
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